某「秘境駅ランキング」では4位の坪尻駅
この坪尻駅は四国の高松と高知を結ぶ土讃線、徳島県内にある駅。
日本でも数が少なく四国でも2駅しかない「スイッチバック駅」でも有名で、少し前にあった秘境駅ブーム(?)の時でも必ず話題に上がるような駅です。
ランキング4位だけあってこの駅に通じる車道はなく、列車以外は徒歩(しかも激烈な山道)でのみしか到達できません。
もう10年くらい前に一度行きましたが、一人で行ったことを激しく後悔したことを覚えています。
そんな坪尻駅にもう一度行ってみたくなり、突入してきました。
阿波池田駅で友人と合流、その後車でひとまず坪尻駅方面へ向かう
新幹線を岡山で下車、その後特急「南風」に乗り換え役1時間20分、阿波池田駅で下車します。

坪尻駅に行くには①列車で行って列車で帰る②車で行って県道の路肩に車を停め、徒歩で往復③路線バスで坪尻駅入口まで行き、そこから徒歩・・・3パターンありますが特に①③ともに本数が少なすぎるので自分は②一択です。
坪尻駅は谷の底にあるので東西両方の山側からアプローチできますが西側は車を積めるところもない為、基本は東側の旧国道32号線沿いにある坪尻バス停からがいいと思われます。実際私も旧32号線側から降りました。
車を停め、エグい山道を下って坪尻駅を目指す
奥の看板には「坪尻駅600m」と書いていますが、どこが入り口か分かりにくいですね。
この手前のガードレールが切れたところなんです。初めての人は確実にわからへんと思うけど。
看板の下に「坪尻」バス停がありますが、一日3本・・・。
このバスで来ると、帰りまで時間がありすぎて現実的ではないっすね。
看板下の少し余裕のあるスペースに車を停め、坪尻駅まで行く人が多いようです。


この旧国道32号線は、高速ができるまでは香川方面から高知に行くにはかなりの確率でこの猪鼻峠を通るので交通量も多かったようですが、さらに数年前に猪鼻トンネルができてしまい、交通量が激減したため国道から県道に格下げになったとのこと。
ちょっとかわいそう・・・。
下の写真は入り口の裏側から撮ったもの。
前回来たときは「ご自由にお使いください」と竹の杖が10本以上くらい置いてありましたが、ほとんど残骸になってますね。


倒木が普通にあり・・。
冷蔵庫や洗濯機などの不法投棄も結構あるので、最初に来たときはこの辺から段々一人で来たことを後悔し始めたような気がします。

こんな獣道をどんどん降りて行きます・・・。

で、かなり降りてきて線路が見えてくる辺りでこの廃屋がドーンって出てくるのよ。
これ、夜なら完全に腰抜かしてアウトでっせ。

ただ、この廃屋は坪尻駅ファンには有名らしく・・・。
内部を見た瞬間完全に一人で来た事を後悔しましたが、ここはもう駅のすぐ手前なので頑張って進んだ事を思い出しました。

前回の訪問の後に知ったのですが、この廃屋って昔この辺りで連続強盗殺人事件を起こした犯人が押し入ってお菓子とお金を奪って逃走した商店だったそうです。
もー怖いねん!!
廃屋の先はこんな感じですぐ先に踏切があり、ここを渡って右に向かうと坪尻駅の駅舎があります。

やっとのことで坪尻駅到着!!

ゾワゾワしながらなんとか山道を抜け、やっとこさで駅舎に到着。
周りは草刈りも定期的にされてているようで、綺麗に整備されている感じ。
駅舎の中に入ってみます。

駅舎の中もとても綺麗に整備されていて、寝袋があれば十分に泊まれそう・・・。
まあ、自分は絶対無理やけど😆

ノートはまだ新しかったですね。スタンプもありました。

右の線路が主線路、南風が猛スピードで通過していきます。
左がスイッチバックで列車が侵入していくところ。
本当のマニアの方は列車が通る時間に合わせると思いますが、私はそこまで・・・(笑)
なので往復している間、誰にも会いませんでした。
帰りは地獄の登山・・・
激しい下り坂を降りてきたので、当然帰りは山登り。
ここ、ほんと夜は絶対無理。
昼間でも体力に自信のない方は本当にやめておいたほうがいいです。
駅舎の近くに「マムシ注意」という看板があるけど(あったはず・・)、もしマムシに噛まれたり足を挫くなどして動けなくなった場合、携帯で救急車を呼べたとしても旧国道の入り口から山道の往復だけで1時間以上かかるし・・。
お〜こわ。
坪尻駅展望台ができているそうな・・・。
以前は坪尻駅を俯瞰で撮影しようとすると、急は崖をよじ登り這いつくばっての撮影となっていました。
ここ、本当に命に関わる事故が起きそうな場所でしたが、実際滑落事故があったそうで今は綺麗な展望台ができているそうです。

約10年前によじ登って撮ったのがこの写真・・・。
まあ、今はあんなこと絶対無理やわ。てか、やったらダメですね。
その後「八畝の棚田」に
坪尻駅からの地獄の登山を終え、次は高知県大豊にある「八畝の棚田」に向かう。
下道で32号線に入り、高知方面へ。
吉野川に沿って大歩危・小歩危を過ぎ、豊永駅を左折してスーパー山道をひたすら進む。
その間約1時間30分。
まあ、山から山に移動した感じ(笑)
大豊周辺は素晴らし棚田の宝庫で、この八畝地区や怒田地区は棚田がたくさんあります。
自称棚田好きの自分ランキングベスト5に入る棚田。
棚田百選の棚田と比べてもぜんぜん負けていない素晴らしい棚田。

特徴はなんといっても田んぼの真ん中にる「祠」。
水を張った春、緑の稲が眩しい夏、黄金色に実った秋、雪を被った冬、いつ見ても素晴らしい棚田です。

谷を挟んで向こう側には怒田地区の棚田、さらに奥には険しい山々。
先人たちの知恵と苦労、地域の皆様の大変な手入れがこの棚田を守っているのだなあと改めて思いました。
あと何年この棚田が存在するのか・・・。
まとめ
行き先:坪尻駅(徳島県三好市)、八畝の棚田(高知県大豊町)
所要時間:坪尻駅→阿波池田駅から車で約15分+徒歩20分(片道)
八畝の棚田→坪尻駅バス停から車で約1時間20分
駐車場:坪尻駅→車では直接アクセスできません。坪尻バス停に2台ほど駐車できるスペースがあります。
八畝の棚田→駐車場はありませんが道幅の広いところを見つけて短時間駐車させてもらいます。
特に現地の皆様が農作業をされているときは邪魔にならないようにしましょう。
トイレ:どちらもトイレはありません。坪尻駅も使用禁止になっているようです。
撮影環境:坪尻駅→三脚OKですが険しい山道ですし、手持ちで十分かと思います。
(列車を撮るなら必要)
展望台から撮影するなら200mm以上の望遠は必須です。
八畝の棚田→24−70でほぼ大丈夫ですが、望遠もあったほうが色々工夫できると思います。